大顎: おおあご
ハンミョウは,他の昆虫と同様に,6本の脚,2対の翅,大きく3つの部分(頭部,胸部,腹部)に区別できる身体を持っている.そして,このグループに特徴的な部分は,大きな眼(この眼のために頭部は胸部よりも幅広くなっている),長くて細い大顎,長く細い脚,そして硬くなった前翅(鞘翅(さやばね))の背面に見られる特徴的な斑紋のパターンである.
頭部
その大きな眼は動くものを敏感に捉える.長くて細い触角は障害物や食物を探知する.大顎髭は指の形をしており,実際に口の中に食物を送り込んだりする指の役割を果たす.大顎は食物を噛み砕いてすり潰し,獲物の体液だけを飲み込む.上唇は,食物を口に入れて噛み砕いている間,食物を保持する役割を果たす.頭部の中には脳と,大顎用の筋肉がある.
胸部
胸部は,昆虫の身体のなかではほぼ完全に運動機能に振り向けられている.6本の脚と2対の翅はこの部分から生えている.脚の付け根の2つの節,基節と転節は脚全体と身体をつなぐ蝶番(ちょうつがい)の役割を果たす.ハンミョウではこの部分が細いため,素早く走ることができる.腿節と脛節が長いことも速く走ることに役立っている.脚に生えているさまざまな棘は,毛づくろい,地面を蹴るときのスパイク,そしておそらく敵に対する防御の役割を果たしている.跗節は脚が地面と接する足先の部分で,走るときの推進力を生み出す.硬い前翅(鞘翅 (さやばね))は,膜状の後翅を覆って保護する役割があり,後翅は使わない時には鞘翅の下に折りたたまれている.飛ぶときは,鞘翅は前方に向かってある角度で保持され,後翅をめいっぱい広げる.ハンミョウは種ごとに異なった色彩の鞘翅をもち,カモフラージュと太陽の放射熱をはね返す役割を果たしている.
腹部
昆虫の腹部はたくさんの節からできており,消化器官,呼吸器官,そして生殖器官が収まっている.ハンミョウの腹部には,さらに大型の耳が備わっている.その耳は高い周波数の音,たとえばコウモリが出す音響探知用の音声を聞くことができる.
ハンミョウの身体の各部分が分かったところで,ハンミョウを拡大して,細部をじっくりと観察してみよう.下に並べたハンミョウのどれかをクリックして,拡大してみよう.さらに細かいところを見たい場合は,ハンミョウの拡大写真ギャラリー(the expanded Tiger Beetle Zoom Gallery)のサイトを見てみよう.
フタイロアリズカハンミョウCheilonycha auripennis,ボリビア産. | クルッグフトツツハンミョウPhaeoxantha klugii,ボリビア産. | シロスジカワラハンミョウChaetodera albina,北部インド産. | オオヤツボシハンミョウCalochroa octonottata,北部インド産. |
各ハンミョウの写真の下の黒いの横線は何んだろうと気になるかもしれない.
その横線はそれぞれのハンミョウの大きさを示すためのもので,顕微鏡を扱う人などはそれをスケールバー(物差し棒)と呼んでいる.その長さで対象物の大きさが分かるからである.どの横棒も5mm(0.5 cm)の長さなので,ハンミョウの大きさを推し量ることができる.
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